定款

第1章 総則

(名称)
第1条
この法人は、公益財団法人柳井正財団と称する。
2 この法人の英文名は Yanai Tadashi Foundation とする。

(事務所)
第2条
この法人は、主たる事務所を東京都港区に置く。

第2章 目的及び事業

(目的)
第3条
この法人は、より良い社会の発展に寄与するため、次の目的を掲げる。

  • (1)
    本財団は、社会的に厳しい環境に置かれているため、身の安全を守ること、日々の生活を維持することなどに追われ、努力しながらも自らの未来を切り拓けない人々とその家族に対し、経済支援と高等教育や職業訓練の機会を提供する。
  • (2)
    前記社会問題を改善、解消するための学術研究について本財団は助成を行う。
  • (3)
    より良い社会を築き継承するためには、グローバルな水準での高度な知見を身に付けた強力なリーダーの育成が急務と考え、資質のある者に海外留学奨学金を提供する。
  • (4)
    人々 が国際的な相互理解を深め、多様性を認める開かれた社会の発展のために、日本文化と各国の文化との交流を促進する活動及び学術研究を支援する。

(事業)
第4条
この法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。

  • (1)
    経済的な困窮生活、紛争、災害等で生じた難民生活、難病、障がいを伴う生活など社会的に厳しい環境にある人々とその家族に対する経済支援と高等教育や職業訓練の機会提供
  • (2)
    前条の社会問題を改善、解消するための学術助成
  • (3)
    次世代の社会的リーダーとなりうる資質のある者への海外留学の奨学金提供次世代の社会的リーダーとなりうる資質のある者への海外留学の奨学金提供
  • (4)
    日本文化と各国の文化との交流活動及びこの学術研究に対する支援日本文化と各国の文化との交流活動及びこの学術研究に対する支援
  • (5)
    突発的な災害で生じた被災民への緊急支援突発的な災害で生じた被災民への緊急支援
  • (6)
    その他この財団の目的を達成するために必要な事業その他この財団の目的を達成するために必要な事業

2 前項の事業は、本邦及び海外において行うものとする。前項の事業は、本邦及び海外において行うものとする。

第3章 資産及び会計

(基本財産)
第5条
この法人の基本財産は、この法人の目的である事業を行うために不可欠な財産として理事会で定めたものとする。
2 基本財産は、理事会において別に定めるところにより、この法人の目的を達成するために善良な管理者の注意をもって管理しなければならず、基本財産の一部を処分しようとするとき及び基本財産から除外しようとするときは、あらかじめ理事会及び評議員会の承認を要する。

(事業年度)
第6条
この法人の事業年度は、毎年9月1日に始まり翌年8月31日に終わる。

(事業計画及び収支予算)
第7条
この法人の事業計画書、収支予算書、資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類については、毎事業年度開始の日の前日までに、理事長が作成し、理事会の承認を受けなければならない。これを変更する場合も、同様とする。
2 前項の書類については、主たる事務所に、当該事業年度が終了するまでの間備え置き、一般の閲覧に供するものとする。

(事業報告及び決算)
第8条
この法人の事業報告及び決算については、毎事業年度終了後、理事長が次の書類を作成し、監事の監査を受けた上で、理事会の承認を受けなければならない。

  • (1)
    事業報告
  • (2)
    事業報告の附属明細書
  • (3)
    貸借対照表貸借対照表
  • (4)
    損益計算書(正味財産増減計算書)損益計算書(正味財産増減計算書)
  • (5)
    貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)の附属明細書貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)の附属明細書
  • (6)
    財産目録財産目録

2 前項の承認を受けた書類のうち、第1号、第3号、第4号及び第6号の書類については、定時評議員会に提出し、第1号の書類についてはその内容を報告し、その他の書類については、承認を受けなければならない。
3 第1項の書類のほか、 次の書類 を主たる事務所に5年間備え置くとともに、定款を主たる事務所に備え置き、一般の閲覧に供するものとする。

  • (1)
    監査報告
  • (2)
    理事及び監事並びに評議員の名簿
  • (3)
    理事及び監事並びに評議員の報酬等の支給の基準を記載した書類
  • (4)
    運営組織及び事業活動の状況の概要及びこれらに関する数値のうち重要なものを記載した書類

(公益目的取得財産残額の算定)
第9条
理事長は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第48条の規定に基づき、毎事業年度、当該事業年度の末日における公益目的取得財産残額を算定し、前条第3項第4号の書類に記載するものとする。

第4章 評議員

(評議員の定数)
第10条
この法人に評議員3名以上6名以内を置く。

(評議員の選任及び解任)
第11条
評議員の選任及び解任は、評議員選定委員会において行う。
2 評議員選定委員会は、評議員1名、監事1名、事務局員1名、次項の定めに基づいて選任された外部委員2名の合計5名で構成する。
3 評議員選定委員会の外部委員は、次のいずれにも該当しない者を理事会において選任する。

  • (1)
    この法人又は関連団体(主要な取引先及び重要な利害関係を有する団体を含む。以下同じ。)の業務を執行する者又は使用人
  • (2)
    過去に前号に規定する者となったことがある者
  • (3)
    第1号又は第2号に該当する者の配偶者、3親等内の親族、使用人(過去に使用人となった者も含む。)

4 評議員選定委員会に提出する評議員候補者は、理事会又は評議員会がそれぞれ推薦することができる。評議員選定委員会の運営についての細則は、理事会において定める。
5 評議員選定委員会に評議員候補者を推薦する場合には、次の事項のほか、当該候補者を評議員として適任と判断した理由を委員に説明しなければならない。

  • (1)
    当該候補者の経歴
  • (2)
    当該候補者を候補者とした理由
  • (3)
    当該候補者とこの法人及び役員等(理事、監事及び評議員)との関係
  • (4)
    当該候補者の兼職状況

6 評議員選定委員会の決議は、委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。ただし、外部委員の1名以上が出席し、かつ、外部委員の1名以上が賛成することを要する。
7 評議員選定委員会は、前条で定める評議員の定数を欠くこととなるときに備えて、補欠の評議員を選任することができる。
8 前項の場合には、評議員選定委員会は、次の事項も併せて決定しなければならない。

  • (1)
    当該候補者が補欠の評議員である旨
  • (2)
    当該候補者を1人又は2人以上の特定の評議員の補欠の評議員として選任するときは、その旨及び当該特定の評議員の氏名
  • (3)
    同一の評議員(2人以上の評議員の補欠として選任した場合にあっては、当該2人以上の評議員)につき2人以上の補欠の評議員を選任するときは、当該補欠の評議員相互間の優先順位

9 第7項の補欠の評議員の選任に係る決議は、当該決議後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで、その効力を有する。

(評議員の任期)
第12条
評議員の任期は、選任後4 年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。
2 任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期は、退任した評議員の任期の満了する時までとする。
3 評議員は、第10条に定める定数に足りなくなるときは、任期の満了又は辞任により退任した後も、新たに選任された者が就任するまで、なお評議員としての権利義務を有する。

(評議員の報酬等)
第13条
評議員に対して、各年度の総額が600,000 円を超えない範囲で、評議員会において別に定める報酬等の支給の 基準に従って算定した額を、報酬等として支給することができる。

第5章 評議員会

(構成)
第14条
評議員会は、すべての評議員をもって構成する。

(権限)
第15条
評議員会は、次の事項について決議する。

  • (1)
    理事及び監事の選任又は解任
  • (2)
    理事及び監事の報酬等の支給の基準
  • (3)
    評議員に対する報酬等の支給の基準
  • (4)
    貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)の承認
  • (5)
    定款の変更
  • (6)
    残余財産の処分
  • (7)
    基本財産の処分又は除外の承認
  • (8)
    その他評議員会で決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項

(開催)
第16条
評議員会は、定時評議員会として毎事業年度終了後3ヶ月以内に開催するほか、必要がある場合に開催する。

(招集)
第17条
評議員会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき理事長が招集する。
2 評議員は、理事長に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。

(議長)
第18条
評議員会の議長は、 出席した評議員の中から評議員会において互選する。

(決議)
第19条
評議員会の決議は、決議について特別の利害関係を有する評議員を除く評議員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、決議について特別の利害関係を有する評議員を除く評議員の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。

  • (1)
    監事の解任
  • (2)
    評議員に対する報酬等の支給の基準
  • (3)
    定款の変更
  • (4)
    基本財産の処分又は除外の承認
  • (5)
    その他法令で定められた事項

3 理事又は監事を選任する議案を決議するに際しては、各候補者ごとに第1項の決議を行わなければならない。理事又は監事の候補者の合計数が第24条に定める定数を上回る場合には、過半数の賛成を得た候補者の中から得票数の多い順に定数の枠に達するまでの者を選任することとする。

(議事録)
第20条
評議員会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成する。
2 議長及びその会議において選任された議事録署名人 2 名以上は、前項の議事録に署名し、又は記名押印する。

(決議の省略)
第21条
理事が、評議員会の目的である事項について提案をした場合において、その提案について、議決に加わることのできる評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。

(報告の省略)
第22条
理事が評議員の全員に対して評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を評議員会に報告することを要しないことにつき評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の評議員会への報告があったものとみなす。

(評議員会運営規則)
第23条
評議員会の運営に関し必要な事項は、法令又はこの定款に定めるもののほか、評議員会において定める評議員会運営規則による。

第6章 役員

(役員の設置)
第24条
この法人に、次の役員を置く。

  • (1)
    理事3名以上6名以内
  • (2)
    監事1名以上2名以内

2 理事のうち1名を理事長とする。
3 理事長以外の理事のうち、1名を常務理事とすることができる。
4 第2項の理事長をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律以下、「一般法人法」という。上の代表理事とし、前項の常務理事をもって同法第197条において準用する同法第91条第1項第2号の業務執行理事とする。

(役員の選任)
第25条
理事及び監事は、評議員会の決議によって選任する。
2 理事長及び常務理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。

(理事の職務及び権限)
第26条
理事は、理事会を構成し、法令及びこの定款で定めるところにより、職務を執行する。 2 理事長は、法令及びこの定款で定めるところにより、この法人を代表し、その業務を執行し、常務理事は、理事会において別に定めるところにより、この法人の業務を分担執行する。
3 理事長及び常務理事は、毎事業年度に4ヶ月を超える間隔で2回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。

(監事の職務及び権限)
第27条
監事は、理事の職務の執行を監査し、法令で定めるところにより、監査報告を作成する。
2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、この法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。

(役員等の制限)
第28条
この法人の理事のうちには、理事のいずれか1人及びその親族その他特殊の関係がある者の合計数が、理事総数(現在数)の3分の1を超えて含まれることになってはならない。
2 この法人の監事には、この法人の理事(親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び評議員(親族その他特殊の関係がある者を含む。)並びにこの法人の使用人が含まれてはならない。また、各監事は、相互に親族その他特殊の関係があってはならない。
3 この法人の評議員のうちには、理事のいずれか1人及びその親族その他特殊の関係がある者の合計数、又は評議員のいずれか1人及びその親族その他特殊の関係がある者の合計数が、評議員総数(現在数)の3分の1を超えて含まれることになってはならない。また、評議員には、監事及びその親族その他特殊の関係がある者が含まれてはならない。

(役員の任期)
第29条
理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。
2 監事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。
3 補欠として選任された理事又は監事の任期は、前任者の任期の満了する時までとする。
4 理事又は監事は、第24条に定める定数に足りなくなるときは、任期の満了又は辞任により退任した後も、新たに選任された者が就任するまで、なお理事又は監事としての権利義務を有する。

(役員の解任)
第30条
理事又は監事が、次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって解任することができる。

  • (1)
    職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
  • (2)
    心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。

(役員の報酬等)
第31条
理事及び監事に対して、評議員会において別に定める総額の範囲内で、評議員会において別に定める報酬等の支給の基準に従って算定した額を報酬等として支給することができる。

(役員の損害賠償責任の免除)
第32条
この法人は、一般法人法第198条において準用する同法第114条第1項の規定により、理事又は監事が任務を怠ったことによる損害賠償責任を、法令に規定する額を限度として理事会の決議により免除することができる。

(非業務執行理事等の責任限定契約)
第33条
この法人は、一般法人法第198条において準用する同法第115条の規定により、非業務執行理事等との間に、任務を怠ったことによる損害賠償責任の限定契約を締結することができる。なお責任の限度額は、同法198条において準用する同法113条1項の規定による責任限度額とする。

第7章 理事会

(構成)
第34条
理事会は、すべての理事をもって構成する。

(権限)
第35条
理事会は、次の職務を行う。

  • (1)
    この法人の業務執行の決定
  • (2)
    理事の職務の執行の監督
  • (3)
    理事長及び常務理事の選定及び解職

(理事会の招集)
第36条 理事会は、理事長が招集する。
2 理事長が欠けたとき又は理事長に事故があるときは、各理事が理事会を招集する。

(議長) 第37条
理事会の議長は、理事長とする。
2 理事長が欠席したとき、理事長が欠けたとき又は理事全員改選直後の理事会における議長は、出席した理事の中から互選された者がこれに当たる。

(決議)
第38条
理事会の決議は、決議について特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

(決議の省略)
第39条
理事が、理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、その提案について、議決に加わることのできる理事の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす。ただし、監事が異議を述べたときは、その限りではない。

(報告の省略)
第40条
理事又は監事が理事及び監事の全員に対し、理事会に報告すべき事項を通知した場合においては、その事項を理事会に報告することを要しない。
2 前項の規定は、第26条第3項の規定による報告には適用しない。

(議事録)
第41条
理事会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成する。
2 出席した理事長及び監事は、前項の議事録に署名し、又は記名押印する。

(理事会運営規則)
第42条
理事会の運営に関し必要な事項は、法令又はこの定款に定めるもののほか、理事会において定める理事会運営規則による。

第8章 定款の変更及び解散

(定款の変更)
第43条
この定款は、評議員会の決議によって変更することができる。
2 前項の規定は、この定款の第3条、第4条及び第11条についても適用する。

(解散)
第44条
この法人は、基本財産の滅失によるこの法人の目的である事業の成功の不能その他法令で定められた事由によって解散する。

(株主権の行使)
第45条
この法人が保有する株式等の議決権の行使に当たっては、あらかじめ理事会において理事総数(現在数)の3分の2以上の承認を受けなければならない。

(剰余金の分配の制限)
第46条
この法人は、剰余金の分配を行うことができない。

(公益認定の取消し等に伴う贈与)
第47条
この法人が公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)には、評議員会の決議を経て、公益目的取得財産残額に相当する額の財産を、当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から1箇月以内に、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律以下「認定法」という。)第5条第17号に掲げる法人であって租税特別措置法40条1項に規定する公益法人等に該当する法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。

(残余財産の帰属)
第48条
この法人が清算をする場合において有する残余財産は、評議員会の決議を経て、認定法第5条第17号に掲げる法人であって租税特別措置法40条1項に規定する公益法人等に該当する法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。

第9章 公告の方法

(公告の方法)
第49条
この法人の公告の方法は、官報に掲載する方法とする。

附則
1 この定款は、この法人の成立の日から施行する。
2 この法人の設立初年度の事業年度は、第6条の規定にかかわらず、この法人の成立の日から平成28年8月31日までとする。
3 この法人の設立当初の理事、代表理事(理事長)、監事並びに評議員は、次のとおりとする。

設立時代表理事(理事長) 柳井 正
設立時理事 柳井 正
設立時理事 古賀 信行
設立時理事 松家 仁之
設立時監事 真砂 靖
設立時評議員 榊原 定征
設立時評議員 小林 健
設立時評議員 國部 毅
設立時評議員 小山 紀昭